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ザ・コーヴ (2) [映画]

映画を見終わった時に思ったことは、『イルカ漁は悪である』という固定観念があらかじめ出来上がっている人にとってはストンと落ちる内容なのかなということでした。
ぼくにとっては、疑問を感じて引っかかる部分がいくつもありましたし、なによりも「多くの困難を乗り越えて、隠された悪を暴く自分たち(制作者たち)」とでもいうような描き方に少し引いてしまいました。

この映画が注目されたのは、米国アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受けたことが大きいのだろうと思います。
確かに知名度の高い賞ではありますが、(あえてこのような表現をすれば)たかだか映像表現を生業とする人たちのグループ内での褒賞です。学術的な見識の正しさが評価されたわけではありません。
エモーショナルな部分に働きかける映像作品としては、とても良く出来た映画だとぼくも思います。

機械的に画像を記録し続ける街角の監視カメラ(防犯カメラというのが正しい呼称かな)とは違って、映像作品には制作者の主観がこめられています。
見た者ひとりひとりがそれを丸飲みするのではなく、自分なりにかみ砕いて色々と考える作業を行うことになります。

予防的に映像公開を阻止するという行為よりも、意義があるなら具体的な疑問点を示して幅広く議論を巻き起こすことが前向きな態度だと、ぼくは思います。


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ザ・コーヴ (1) [映画]

上映中止要求活動が話題になった映画「ザ・コーヴ」を観ました。
ぼくの街の映画館でも封切り直後には街宣車が押しかけたりしたようですが、ぼくが行った時にはそのような騒ぎもなく、平日だというのに大勢の観客が入っていて、騒動のおかげで興行成績は上向いたのかもしれません。ぼく自身もあんな騒動が起きていなければ、わざわざ映画館に足を運んだりしなかったでしょう。

この件に関しては複数の切り口で思う事があるので、今回は映画の中身以前のところで、上映すべきか否かという事について考えてみることにします。

上映中止要求活動があった事に関して新聞には「表現の自由が脅かされている」なんて小難しい記事もありましたが、この見方は的外れだとぼくは思います。
表現の自由という概念は、権力者がその地位を維持するのに都合の悪い情報を恣意的に封じ込めるような事を許してはならないというのが根幹でしょう。
一方で今回の騒動は、『反日映画』を日本国民対象に上映すべきでないという側に立つ一般人の意見と、話題性のある映画を上映したい-観たいという側の一般人の意見とがぶつかったにすぎないと思います。

問題は、「気に入らないものを見なかった事にする」という卑屈な目標を設定したために、暴力を背景とした脅迫と言わざるを得ない行為があった事です。
日本国内での上映を封じることに、何の意味があるのか?
仮に日本たたきを目的とした映画であるならば、なるべく多くの目で内容を検証して具体的な問題点を制作者に対して投げかけて冷静な態度で議論しなければならないと思います。
小さな独立系の映画館に向かって元気なところを見せたって、制作者は痛くもかゆくもないに違いない。

 


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沈黙を破る [映画]

機会があって、『沈黙を破る』という映画を見た。
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西岸地域での軍事行動に従軍したイスラエルの青年たちが、自らが加わった加害行為について告白し、祖国であるイスラエルの行動がこのままでよいのか考え直そうと訴える内容だ。
イスラエルの住民としては、勇気ある行動なのだろうなと思う。

しかし、このような告発があってもイスラエル政府の行いは何も変わらないのだろうと思う。
それは、パレスチナ住民の中に混在しているテロリストが常に自分たちを狙っているという危機意識に裏打ちされた行いだからだ。
罪のないパレスチナ住民がいくら傷ついても仕方がない、先に殺しに行かなければ自分たちが殺されてしまうという強烈な意識。

日本にも似通った発想がはびこっているのではないだろうか。

境界を軍事力でかためて、何らかの変調があったと認めた際には、素早く軍を動かすという勇ましい考え。
これをオブラートでくるんだ表現が、『抑止力』という言葉だ。

イスラエルの行動に憤りをおぼえた時には、自分の足下も見つめる必要がありそうだ。


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ウェイヴ [映画]

また映画を観てきました。ウェイヴ(Die Welle)
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現代の自分たちの社会で『独裁』など生じるはずがないというドイツの高校生たちが、数日のうちにのめり込んでいく集団心理。

あっという間に暴走して制御不能となる、団結と排除の論理。

「自分の周囲ではあり得ない」と笑い飛ばすことはできないと思ってしまいました。


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沈まぬ太陽 [映画]

先日、観てきました。
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主人公に降りかかる不幸として描かれる事柄が、ぼくにはそのまま不幸として受け止めることが出来なくて(苦労が多いかもしれないけれども、会社にとっては必要で誰かがやらなければならない仕事を任されたと考えることも出来るのでは…)、話の流れに入り込むのがしっくりいきませんでした(これは映画のラストで消化されるわけですが)。
また、人物が、善悪それぞれくっきりと描き分けられ過ぎているような気がして、水戸黄門のテレビドラマを連想したりもしてしまいました(そういえば黄門様を演じていた俳優さんも出演してますね)。

でも、映画としては実力のある俳優陣が豪華にそろって熱演した、3時間を超える大作といえるでしょう。

この映画に関しては、企画・制作・公開の過程で日本航空から『名誉毀損のおそれがある』とか『御巣鷹山事故を描いて商業的利益を得ようとするのはいかがなものか』と意見が再三提示されて、公開にいたる道筋は大変なものだったらしい。

観客のひとりであるぼくとしては、事故関係者をおとしめるような描き方もされていなかったように思うし(ただやはり、事故の記憶をかき起こされることそのものが苦痛だという遺族の方もいらっしゃるのかもしれない)、決してドキュメンタリーなどではなくフィクションであることをわかって観てきた。

一方で、原作である小説の公開時には、それを連載していた週刊誌に対して日本航空側から硬軟様々な働きかけがされていたなんて情報に接すると、映画に出てきた航空会社のアホな役員の姿があんがい現実と大きく違わないのかなと邪推が浮かんだりもします。

劇場公開から数年経てばテレビの電波に乗るというのが通例ですが、この映画はテレビにたどり着くにも紆余曲折があるかも。
渡辺謙ファンの方は、映画館で観ておいた方がいいかもしれません。


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