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動かない-動けない社会 [社会]

ふたつ前に書いたこととつながりがあるのだと思う。

 台風19号で予告運休、JR西の対応に賛否 私鉄は通常運行

 台風19号は13日夜、暴風雨を伴って近畿地方を横断した。JR西日本は前日の予告通り、同日夕から神戸線、宝塚線など近畿2府4県の全24路線で約1200本を運休したが、阪急、阪神などの私鉄はおおむね通常通りの運行を続けた。JR西の対応に、防災の専門家からは「唐突過ぎた」との苦言が出る一方、「最悪の事態を考えて危険を回避するという判断は間違っていない」と評価する声もあった。

 JR西は12日午後1時すぎ、13日午後4時からの運休を発表した。同社は「台風の進路や規模から、風雨が規制値を超える可能性が高く、安全を第一に考えた。事前の早い段階でお知らせすることで、外出計画の変更を考えてもらうことも期待した」と説明する。

 阪急、阪神は事前の運休計画について「検討していない」とし、気象状況に応じて適宜、判断したという。「一時、数分の遅れが発生したほかは大きな乱れはなかった」(阪神)としている。

 JR各駅では、運休に戸惑う人の姿も多かった。三ノ宮駅では、上りが午後3時15分発を最後に運行を終了。長崎県の大田黒(おおたぐろ)吉治さん(35)は「帰りの飛行機が欠航し、神戸空港から戻ってきたのに」と肩を落とし、妻と幼い子ども2人を連れて阪急で神戸市内の親戚の家へ向かった。

 大阪駅では13日午後4時25分ごろ、最後の電車が出発。大阪市城東区の男性会社員(34)は「危ない運転よりはすべて運休の方がいい。JRは思い切った判断をした」と評価する。一方、九州の実家から戻る途中だった同市のアルバイト男性(32)は「他社線は動いており、柔軟に対応してほしかった」と疲れた様子で話した。

 専門家の評価も分かれた。

 河田恵昭・関西大教授(防災・減災)は「空振りを恐れず、事前に防災対応するのはいいが、今回は唐突で、利用者に不親切だ。せめてその根拠となる考え方を広く説明し、理解を得る努力をしないと」と指摘する。

 室崎益輝・神戸大名誉教授(防災計画)は「迷惑を被る人は出るだろうが、皆が安全を考えて手を止めるという対応は将来的な方向としては良い。それを許容する防災文化をはぐくみ、被害予測の精度を上げていかないといけない」と訴える。

神戸新聞(2014.10.14)

嵐の中で電車を走らせて、もし万が一にも事故があったらどうなるか。
「事故になることはわかりきっていたのに、金儲けを優先して乗客の安全を軽視した」とマスコミが騒ぎ立てるのは目に見えている。
A新聞は文書の断片を掘り当てて、「職場放棄した職員がいたから深刻な事故になった」とセンセーショナルな物語を創作するだろう。

不便を感じた人もいるだろうし、是非を論じるのは大いに結構だが、運休の判断は世相が求めた必然ではなかったかとぼくは思う。

「私鉄は事故もなく動いていたのだから…」と結果から論じるのはちょっと違うんじゃないだろか。
嵐が予報されていた時点で、運行を判断する人たちがどんな条件下にあったかを考えてあげなくてはならない。
「どんなに小さなリスクでも回避しなければならない」という心理的圧力が覆いかぶさることはなかっただろうか。
責任者は、感情論で被告席に座らされて断罪される姿が頭をよぎったかもしれない。

大きく安全側にシフトして判断せざるを得ない世の中になってきてるんだよ。
相当な拡大解釈であっても『冒険』と見なされてしまうような行為が容認される余地は、とても小さい社会に既になったのだと踏まえたうえで物事を見ていかなければならない。


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知ろうとすること(書籍) [社会]


知ろうとすること。 (新潮文庫)

知ろうとすること。 (新潮文庫)

  • 作者: 早野 龍五
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/09/27
  • メディア: 文庫

こういう本が、3年半経ってようやく出版されるようになったんだなぁ、と思う。

著者のお二人とも、現地に入ってそこで暮らす人たちと向き合う取り組みに奔走してきた日々から、少し落ち着いて「本を作る」という作業を出来るようになったのかもしれない。
そしてなによりも、このような内容を表明する人は、時代劇の捕り物のように「御用だ、御用だ!」と叫ぶ大勢に取り囲まれて不必要な苦労を強いられる時期が続いた。糸井重里さんなんてこの夏も、福島の桃の写真をSNSに載せただけで方々から石が投じられたようだ。 (たいへんささやかながらぼくもそんな経験をした→2012年3月の記事。)
出版業界には、センセーショナルに人々の不安を煽る本でなければ商売にならない(売れない)との意識があったように思う。

意図的にボリュームを削ぎ落とし初出が文庫版という手軽な本だから(価格は464円)、それぞれで読んでもらうのが良いと思うが、ひとつ引用させてもらうのは後書きのタイトル。

もうひとつのあとがき
こことのありよう、というか「姿勢」のこと 

特異なことを言っているとは思わない。
社会人としてというか大人としてというか、当たり前のことじゃないだろうか。
しかし、そんな「姿勢」ではない人があまりにも目立っている今だから、とても光っていると感じます。


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もう、冬眠するしかないのでは? [社会]

こんな輩が現れるかもしれないとは思っていた。

御嶽山噴火:批判、予約キャンセル…長野県木曽町の苦悩

 御嶽山の東側のふもとの長野県木曽町の町観光協会に「どうして観光地として売り出したのか」など心ない批判が寄せられていることが分かった。協会が会員業者にアンケートしたところ、7割が「噴火で大きな影響がある」と回答し、旅館やペンションでは予約のキャンセルが相次ぐ中、今後の経営に不安を抱く業者らに追い打ちを掛けている。

 同協会によると、電話やメールなどで「噴火するかもしれない火山と分かっていて、どうして観光地として売り出したのか」「どう責任を取るのか」といった批判が20〜30件、協会に入っているという。

 アンケートは噴火直後の9月末に実施し、回答があった31業者のうち21業者が「大きな影響がある」とした。

 同町の観光業は、7〜11月が年間収益の7割を占め、11月末までの見通しについて12業者が「死活問題」と大きな危機感を抱いていた。宿泊業では、既に予約客の2〜5割がキャンセルしたという。会員らは「町全体が火山灰に覆われていると思い込まれている」などとして、協会に風評対策を要望した。

 噴火に伴う入山規制の範囲は限定的なため、御嶽山のロープウエー以外の主な観光施設は営業できる状態だが、3日に開かれた協会の役員会では「捜索活動が続く中、当面はPRせず、収束を待つ」と決めた。

 近くの同県南木曽町で7月に起きた土石流災害でJR中央線が約1カ月間寸断され、木曽町を訪れる観光客が2〜3割減少。8月も天候不順で登山客数が落ち込んだ。【古川修司、深津誠】

毎日新聞(2014.10.4)

「危険性が科学的に明示されていないとしても、その可能性がわずかでも想定されるのであればその原因物は排斥されなければならない。これが国際的な常識です。」
これは、2011年に社民党の推薦で国会証言した東大のセンセイが、低線量被曝と関連づけて言い出したのが最初だったでしょうか。

『予防原則』という概念と少しでも向き合ったことのある人であれば、そんな定義でこの用語を持ち出してしまうのは適切ではなく、この概念の意義を損ないかねないと多くが感じたことだろう。実際に異論・反論を発信した人もいた。
しかし、時すでに遅く、「」で括った考え方は世間で暴走し、震災がれき拒否・東北産食品拒否を叫ぶ人たちの行為を正当化する支柱として今でも重宝されている。

その考え方を信奉する人の視点に立てば、噴火の可能性がわずかでもある場所に観光客を招き入れるのは、強く非難しなければならない巨悪の振る舞いに見えるのだろう。

いいでしょう、国際的な理解とはかけ離れているけれどそれをわが国の常識としてみましょう。

次の週末は連休でどこかに出かける人も多いとは思いますが、例えば温泉は火山活動と関連がありますよ。火山に近接した温泉地はすべて営業禁止ですね。
いやその前に、そこへ人々が移動するための手段、バス・タクシー・電車・航空機などはそうならないように多大な努力が尽くされているけれども、それでも事故の可能性は残るから批判を浴びせて禁止しなければならない事業でしょう。
いやいやもっと根源的に、食品を生産・販売したり食事を提供することも、それが原因となって食中毒やアレルギー反応で人が亡くなる可能性が皆無とは言い切れないのでダメでしょう。

木曽町の観光協会に電話やメールをしている人たちは、どこか本人が安心出来る場所を見つけて冬眠していてくれませんか。
その間に、ぼくたちが世直しの努力をしますよ。


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