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東京新聞(1) [放射脳]

がれき激減で、広域処理の大半が3月末で終了

 宮城、岩手両県の震災がれきを被災地以外で処理する「広域処理」の大半が、来月末で打ち切られる。必要量が当初の推計の6分の1にまで激減したためだ。受け入れ先では放射能汚染への不安にとどまらず、税金の無駄遣いが指摘され、北九州市などでは訴訟にも発展した。大阪では警察の介入が問題視された。東北の地元にも反対意見が強く、旗振り役の環境省は早期撤退に追い込まれた形だ。 (佐藤圭)

東京新聞(2013.2.11)

がれき広域処理に関する記事が東京新聞に掲載されたと聞いていたのだが、ネット上ではお金を払わないと上記部分しか閲覧できないので、図書館に立ち寄って見せてもらった。見開き2面にわたる大きな記事だ。取材にじっくり時間をかけて一つのテーマを掘り下げる意図のコーナーなのかな。

例によって、岩手・宮城県内でがれき処理が進行することを歓迎しつつ、広域処理に反対する論調だ。発災からちょうど23ヶ月目の日に掲載された記事なのに、東京の新聞記者はまだこんな認識なのかとぼくはあきれてしまう。

まず、この記事に対しては日本報道検証機構という団体が主見出しの事実関係について疑問を呈している(「がれき広域処理、大半3月末終了」 実際は一部だけ)。
『大半』『一部』という語が具体的に限定できないから、議論は収束しづらいと思うが、「広域処理は来月でなくなるんだ」と読み取った読者がいたとしたら、間違いであることは確かだ。

「放射能汚染への不安」「焼却により放射性セシウムが漏れる」「放射能拡散」と記述があるが、
・焼却炉にセシウムが投入されることを恐れるなら、震災がれきよりも自分の排出するゴミの処理を考えなさい
・放射性物質を今ある場所から動かすなと言うのであれば、首都圏で生じた焼却灰を域外に持ち出すことをやめなさい
と以前からの助言を繰り返すしかない。

『森の防潮堤構想』 に関して長く記述されているので、少し考えてみたい。
有機物を埋めてしまうとやがて腐朽して地盤がスカスカになる点までは見解に相違がなくて、木を植えておくことで根が太ってその隙間を埋めて地盤を強化するという説だけど、そうなるだろう、そうなることを期待したい、という域を突破する材料が今ひとつ欠けているように思う。
津波が山のすそまで押し寄せて、立木を根こそぎ倒し斜面を削った映像を誰もが見ただろう。「あそこまで津波が来たのね」とわかる痕跡が残された現場が方々にある。だからこそ、震災がれきと呼ばれる物の中に倒木があれほど多く含まれているんだ。
次に津波に襲われた時にあっさり決壊する堤防を作ってしまうおそれを、少しでも小さくしておきたいんだ。

また、この構想に関しては、「宮城県議会は超党派で異議」と小見出しが打たれて、「59名の県議全員による推進議員連盟」が実施を強く求めたのに県執行部がそれを握りつぶしたかのように記述されている。
宮城県議会議事録を『森の防潮堤』で検索した最新のやりとりを引用してみる。昨年9月20日の定例会における議論だ。

◆四十二番(藤原のりすけ君) 改革みやぎを代表いたしまして、質問をさしていただきます。
             (略)
 植物生態学者である宮脇昭氏の、いのちを守る森の防潮堤構想は、震災によってできた大量の瓦れきの山の中の毒と分解不能なもの以外を有用な地球資源として活用しようとするものであり、その考え方を勉強しようということで、議員連盟もできています。野田政権も、みどりのきずな再生プロジェクト構想を発表しました。問題は、無害化された再生瓦れきの認識です。環境省は、天然の木材の中で、自然木・丸太は自治体による埋設可否の判断を経て埋設可能としていますが、木片や枝葉などは、メタンガス、硫化水素ガスなどの発生のおそれがあるとして認めていません。加工木材についても同様のおそれに加え、有害物質の付着や六価クロム、砒素などの混入を懸念し、認めていません。
 これまでの知事答弁は、一、対象とする津波外力を確実に防御できる強度を保つためには、盛り土構造に加えコンクリートブロックで被覆することが必要である。二、木質系瓦れきを盛り土材として利用するのは、メタンガスの発生や発熱による自然発火のおそれなどがあるとともに、不等沈下などの問題がある。三、木質瓦れきは廃棄物なので、それを埋設する場合は処分場という位置づけになり、地下に水が浸透しないようにゴムなどの措置をして、その上でガスなどが出てきた場合のガス管を設置するなどの処置をしなければならないというものです。
 これらは、現行廃棄物処理法上の問題なのでしょうか。そうであれば、改正を国に働きかけるなり、特区申請をすればいいということになります。あるいは、科学的知見から来るものなのでしょうか。科学的知見から県民の生活環境に問題ありとするものなのでしょうか。そうであれば、実際問題として、これらの課題を乗り越えることは難しく、いのちを守る森の防潮堤構想は難しいという結論になります。知事のお考えをお聞かせください。
             (略)

◎知事(村井嘉浩君) 藤原のりすけ議員の代表質問にお答えいたします。
             (略)
 東日本大震災で発生した倒木等の自然木、木くず等の活用につきまして、六月に環境省から考え方が示されたところであります。この中で、自然木の丸太につきましては、一定の条件のもとで盛り土材として埋設しても差し支えないとされたところであります。一方で、細かな木くずなどにつきましては、腐朽によるガスの発生や火災の発生等の懸念があることから廃棄物であると判断され、最終処分場以外の場所に埋め立てを行うことは認められておりません。更に、国土交通省がまとめました東日本大震災からの復興に係る公園緑地整備に関する技術的指針等におきましても、腐朽によるガスの発生、不同沈下、陥没などの問題点について指摘されているところであります。
 このように、生活環境の保全の上からも、また、技術的な見地からも、細かな木くず等を防潮堤の盛り土材とすることは困難であると考えております。
             (略)

どう感じるだろうか。東京新聞の描く構図とは違って、ちゃんとかみ合った質疑が交わされているとぼくは思う。

<長くなってしまったので、続きは別エントリーにする。>


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